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備忘録 Part.2

アニメ、漫画、本、映画、ソシャゲなど思いついたことを書きます

118.ジェイソン・ボーン感想

ジェイソン・ボーンをようやく見てきた。

やっぱりIMAXは素敵で、映像のスケール感もさることながら音響もch数多すぎッて感じで最高。

 

ジェイソン・ボーンというかそもそもボーンシリーズ自体の話になるんだけど完璧な話の終わりをとげ、あそこまできれいに終了したシリーズはそこまでないという唸るようなできの名作。
マットデイモンも監督、脚本陣も語るべき物語がないという理由で9年間を費やしたと言っている。
ボーン・レガシーに関しては監督が担当しない決断をし、その結果マットデイモンも断るという事案まで発生し、シリーズ第4作(作品の扱いとしてはスピンオフ)でありながら二次創作に等しい失敗に終わってしまった。
であるからにポール・グリーングラス監督とマットデイモンもタッグのボーンへのカムバックはファンにとって騒然となる出来事であり、色めき立つ事態。
そんなジェイソン・ボーンについて述べたい。


今回9年ぶりの新作ということで古いシリーズの再始動作品は必ずファンでなくても楽しめるような作りになっている。
新たなる序章、新たなる1になりがちなのがあるあるだけど、ボーンはそのような兆候はあるもののしっかりとしたジェイソン・ボーンの4作目として機能している。

 

ポール監督曰く、語るべき物語がなくてはシリーズを再始動させる意味はない、語っている。
思えばボーンシリーズはボーン・アイデンティティにて新しくジェイソンボーンとしてのエゴを獲得し、過去がないとしう虚無感と空白を埋める存在と共に行きていくことを決意する。
しかしながら、ボーン・スプレマシーではその空白を埋める存在を失い、自分の過去を失わせ殺人兵器にさせた、そしてその存在を奪ったCIAに歯向かうことに取り憑かれていく。
ボーン・アルティメイタムにて執着に区切りをつけ、その全てとの関係を断つ終わりを迎える。
ジェイソン・ボーンアイデンティティーは失われたままであり、作品内での余白は埋められないまま物語は幕を閉じる。

 

本作ではその余白に対して(おそらく続編ありきなような気はする)答えを出そうと歩みを初めた作品であり、その振りを知っていないと本作は響いてこないのではないかなとは思う。
しかし、それこそがボーン4作目として意味のある作品である。話のきっかけになる理由に関しては少し踏み込みが薄いようには思ったけれど、決して続編は蛇足に終わっていないところは評価点に感じる。


また2016年のボーンにオミットされているのもいい。
最新の操作技術を取り入れていたボーンシリーズだが、情報屋が出張っている操作法に加え、今回のCIAの暗躍、そして達成目的である作戦計画はスマートフォンSNSの普及が招いた個人の発言力の上昇と時事問題を的確に作品に取り込んでいる。
顧客はサービスと情報にお金を払う時代、便利であれば多くの人はそれを使えば良いと考える半ば打算的なマジョリティを反映している。
その中でこれまでと同様にい続ける未だに年功序列が抜けないCIAの長官たちが浮いて見えるのも見事な話に仕上がっていると感じる。
最後のワンシーンもそんな時代を象徴するようなもので果たして一人どの中にも属さないボーンはどう立ち向かっていくのかという意味でも作品にワクワクされっぱなしである。


そしてなにより最高なのがポール・グリーングラス監督のカット割りとカメラを複数台使ったアクションは見もの。
グリーンゾーンのコメンタリーで「手持ちカメラやめようかなハハハ」といっていた監督に対し「無理でしょ(笑)」とマットデイモンがいったという微笑ましい話があるけれど、実際その反対をやってのけるのは本当に半端ない。
今回は定点カメラを使っていないのである。
2016年の映像技術、VFXを活かし、アクション映画シーンの表現技法を変えたポール・グリーングラス監督のアクションは健在である。
ボーン・スプレマシーでここからまだカースタントふえええええええと盛りに盛った展開を見せてくれたが、ずっと映像としても緩急をしっかりつけて見せ続けてくれるので画面に暇な瞬間がない。
また、マットデイモン代表作オーシャンズ11の部隊のホテルの前で車を装甲車で壊しまくるシーンは非常に見事としかいいようがない。


正直言って非常に意欲作であり、今までのシリーズを動かすため空前絶後の爆発的ヒットにはならないかもしれない。
それでも今作は非常に満足度の高いものとなっているのをひしひしと感じる2時間半であった。
おすすめですが復習しっかりどうぞ。