備忘録 Part.2

アニメ、漫画、本、映画、ソシャゲなど思いついたことを書きます

82.決死部隊

日曜日。

アメコミ映画を見漁っている自分には外せない昨日公開のスーサイドスクワッドを観ることに。

友人は月曜の朝には観るらしい。

 

MCUはディズニー配給だし子供向けとしても耐えうるような色使いだったりするけど、DCUはだいぶサブカルチャー好きに受けるようだったり大人が好むような色使いだったりするような気がする。

そんな中でもスーサイドスクワッドはパンクっぽさがあったりサブカル女子の金銭にぶっ刺さりでデザイン性はさすが。

109のIMAX入りのカウントダウンの配色もスーサイドスクワッドの色使いですごいなと思った。

そういう意味でデザイナー的な意味では成功なのかも。

 

そんなわけでスーサイドスクワッド。

ファンからの評価は非常に高いらしいけど、公開前の批評家からは酷評。

日本も評価は結局いいにも悪いにも振れない感じで一部のアメコミ映画好きが喜んでいるような雰囲気。(自分もだけど)

そんなわけで感想を考えたい。

まず、いいところは

ヴィラン一人一人がU内で描かれない中見せ場をきっちり作って役に愛着を持てる

ヴィランの悪の在り方がかぶることなく正義哲学に新視点

・新ジョーカーの名演

が自分の中でベスト3。

 

ヴィランが各作品から集合ということでヒーローではないながらクロスオーバーもの。

でありながら一人一人の活躍が他作品にあるわけではなく、これまでの背景を半ばダイジェスト調に描かれる。

だけどしっかりした芯のあるキャラクターの動かし方をするので各キャラへの思いが薄いなぁ…とか、こいつ結局どんなやつ?みたいなことがないのは見事。

視聴後にはもっとあのキャラを見せてくれ…という感情を抱かざるをえない終わりにユニバース内の次につなげる役割もしっかり果たしている。

 

そんなヴィランたちだけど、悪への堕ち方は様々で似た境遇みたいにならず、各々に深く理由があり、その出口として協力があるのがいい。

例えばジョン・スミス演じるデッドショットなら娘を養うための仕事として殺し屋という結果になっただたったり、真逆でハーレクインはジョーカーの悪の哲学に魅せられる。

しかし、そのスーサイドスクワッドを上から指示する長官は正義のために人を殺すことに何も思わず自分の為す正義は正しい、という考えを持っている。

スーサイドスクワッドがひとつの目的に進むのに必要なファクターのワンカットであるけれど、それ以上にこの構造は「正義の見え方」という議論に新しい切り口になっている。

ある人にとっての正義はある人にとっての悪、というのが最近のMCUの命題だった。

一方でダークナイトでは悪を為すことで正義を為すというテーマがある。

DCはダークナイトのテーマを最近の状況にコンパイルし、大多数には悪であってもそれが正義をなしうる。という新切り口。

そしてそれは悪役の活躍する映画でないとできない唯一性であり、スーサイドスクワッドにしかできないことである。

また、スーパーマンという最も揺るぎない正義の象徴が保安を揺るがしたら、という想定の政府の動向がある。

その下地でジャスティスリーグを結成しようとするバッドマンを含むDCユニバースでそれを展開することを見せたスーサイドスクワッドはDCユニバースのシリーズ内の起爆剤になりうると感じる。

 

そしてジョーカーの熱演。

高くそびえる現実感ただようサイコを持った故ヒース・レジャージョーカー。

そして過去に演じられたジョーカーと評価の目は厳しさを増す中で新しさを出さなければならないジョーカーの熱演はスーサイドスクワッドの見どころのひとつでもある。

ジャレッド・レトーの共演者に使用済みのゴムを送るなど私生活までに及んだ徹底した役作りに加え、愛する存在のハーレクインの存在。

悪役の心の孤独感を埋める愛する人の存在は悪役の背景に奥行きを持たせるけれど、サイコさを売りとするジョーカーに人間味の隙を与えるのは危険に感じていた。

しかし、それをきれいなバランス感覚で作り上げたジョーカー像は見事。

ジョーカーのハーレクインへの愛がジョーカーにしかないものであることをありありと浮かび上がらせていて、本当に上手い。

ジョーカーの撮っていたシーンは多くが作品の整合性のためにカットされていてしまったらしいが、バッドマン単体作品では新ジョーカーをより魅力的に見せ場を描いてくれることを期待。

ジャレッドもキレてるらしいしね。

 

 

他にも語りたいところは多く存在するけれど割愛。

それはそれとして作品によくないところがないわけではない。

まずヴィランがいい人すぎること。

ヴィランに背景や前後関係を説明し過ぎない上で悪の在り方の違いを見せているのはさすがなんだけど、では悪として何に被害を与えたのか、という描写がない。

すなわち、アメコミファンや海外の人ならばそれがある状態で見れるけれど、浸透が芳しくない日本ではヴィランって言ってるけどこいつらいい人じゃん、と醒めてしまうフシはあるように感じる。

おそらく批評家の評価が低いのもここ。

確かにBvsSやマン・オブ・スティールの前知識が必要はないけれど、一般常識の領域にヴィランの悪行描写を任せているため、悪集結!という感じは薄い。

ここは悪役に世界は託された、といいながらも悪役さの薄さというコンセプトのズレが生まれることだろう。

 

また話運びが少しちぐはぐ。

スーサイドスクワッドを率いる大佐は観察対象のヴィランと恋に落ち結果世の中に解き放ってしまう。

上官は敵にかこまれて脱出できなくなりスーサイドスクワッドを集めるなど色んなことの尻拭いに使われている。

政府の汚れ仕事=尻拭いをヴィランに押し付けるというのは理解できるのだけど、ヴィランが社会不適合者でなくボタンの掛け違いでヴィランになってしまったように映る。

結果的に使えない上司に振り回される部下に見えてしまって、やはりこれも悪行の描写、少し常識が全員おかしいところを見せて欲しかった。

それだけでよくなるように感じた。

 

 

悪役集結モノはアメコミで沢山シリーズ化しているけれど、それをユニバースに加える、アメコミ映画が量産されている土壌の中で実写化に踏み切った。

それだけで設定勝ちな気がして、マイナスに思えるところはありはするものの非常に満足度の高い内容だった。

結局続編が見たいし、ハーレクインにどつかれたい。

DCもきっちりヒットを出してさすがに思うけど、依然としてMCUの壁の高さは否めない。

ジャスティスリーグが1個期待度が上がったので良作になることを祈っています。